内容紹介
1990年代初めまでコンゴ民主共和国(当時ザイール)の研究は盛んに行われ、豊かな自然や生活文化が紹介されたが、90年代以降コンゴ東部の紛争や鉱物資源問題、安定しない政治体制等でコンゴ国内は混乱を極め、一時調査ができない状況になったものの、近年では再び注目が集まっている。魅力と課題、そして未来がつまったはじめてのコンゴ民主共和国入門書。
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目次
はじめに
表記について
コンゴ民主共和国と周辺諸国
コンゴ民主共和国 基礎情報
Ⅰ 自然・地理
第1章 コンゴ国家の領域――コンゴ川水系とコロニアルな思惑
第2章 コンゴ盆地の地形・地質、コンゴ川の形成――コンゴ盆地独特の地史とその生態系への影響
第3章 コンゴ盆地熱帯林の生態――マメ科が優占する種多様性の低い森林
第4章 ボノボが暮らすワンバの森の植生――熱帯林がもたらす豊かな食物資源
第5章 コンゴ盆地の固有種ボノボ――メスの進化が意味するもの
第6章 バリ(Mbali)のボノボ研究――ゴリラと同じ草原生態系に暮らすボノボの不思議
第7章 ゴリラの研究と保護の狭間で――チンパンジーと共存していたゴリラたち
第8章 タンガニーカ湖の魚――生態と進化の謎を探る
第9章 ボノボの住む熱帯雨林の空洞化――コンゴ戦争と世代交代がもたらしたもの
第10章 コンゴ民主共和国のREDD+――森林のモニタリングとREDD+活動
第11章 コンゴ民主共和国における自然保護活動――グローバリゼーションで先鋭化する開発と複雑化する自然保護
第12章 コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱――その現状と対策
第13章 コンゴ民主共和国のエイズ――HIV-1の起源に関する未解決の謎
Ⅱ 歴史
第14章 コンゴ自由国からベルギー領コンゴへ――ヨーロッパ人中心の国づくり
第15章 『闇の奥』の現代性――グローバル化された世界の光と闇
第16章 コンゴ動乱の歴史過程――独立、混乱から内戦へ
第17章 コンゴ動乱に対する国際的対応――大国と国連の干渉
【コラム1】ルムンバ
第18章 モブツ政権期(1965~1997年)――国家統一から内戦へ
第19章 カビラ父子政権期(1997~2018年)――紛争終結と東部での継続
第20章 ジョゼフ・カビラ政権末期以降の混迷する政治動向――チセケディとカビラの「結婚」と「離婚」劇
【コラム2】チセケディ父子とUDPS
Ⅲ 文化・社会
第21章 コンゴ民主共和国の言語――多様な民族語と地域共通語、フランス語の多言語使用
第22章 言葉の森――現地語語彙集を編む
【コラム3】ボンガンドの景観語彙
第23章 コンゴ河の旅――カオスの船に揺られ、苦行のさなかにゆるしを学ぶ
【コラム4】喧騒と人混みの街、キンシャサ
第24章 キンシャサ・ロック――苦しければ、踊れ!!
【コラム5】リンガラ・ミュージックで何が歌われているか
【コラム6】コンゴと音楽
第25章 ボノボに対する摂食タブーの変遷――保護区内外での住民の〝ボノボ観〟に着目して
第26章 森の英雄神話――ソンゴーラ人の口頭伝承
第27章 ピグミーと農耕民――しなやかな共生
第28章 ペサ・ンガイ――コンゴ社会における要求と対等性
Ⅳ 生業・経済
第29章 ムブティ・ピグミー――森の民の狩猟と採集
第30章 コンゴ中部熱帯林の生業複合――幅広く、何でもやる
第31章 熱帯林の食文化――緑のサハラからの1万年史
【コラム7】コンゴ盆地の森の地酒を訪ねて
第32章 コンゴ東部の経済――多様な生業と観光
第33章 コンゴ東部の農業――プランテーション農業と焼畑農業
第34章 キンシャサでブタを飼う――メガシティでの新たな生き方
第35章 河の民ロケレ――キサンガニ西方の交易活動
第36章 森林地域と都市の市場のつながり――人の移動と商品の流通
第37章 鉱物資源を売って魚を買う――鉱山都市住民の経済活動
第38章 統計で見るマクロ経済の変遷と実体経済――フォーマルとインフォーマル
Ⅴ 政治・国際関係
第39章 コンゴ紛争総説――国際関係の視点から
【コラム8】1998年コンゴ紛争勃発時の脱出記
第40章 武装勢力――紛争主体たちの系譜
第41章 コンゴ紛争と難民――国境を越えて連鎖する悲劇
第42章 コンゴ東部に対する紛争予防・平和構築の試み――北キヴ州の紛争地域を中心とする日本と国際社会の平和構築支援
【コラム9】バニャムレンゲはコンゴ東部紛争をどう見ているか
第43章 紛争鉱物問題――規制の取り組みとロンダリングの課題
第44章 紛争と性暴力――婦人科医ムクウェゲ医師の救済活動
第45章 南アフリカに新天地を求めるコンゴ人――30年にわたる軌跡と現在
第46章 ルワンダとの関係――バニャルワンダとバニャムレンゲ
第47章 コンゴ北東部におけるウガンダとの関係――対立から協力へ?
Ⅵ 日本との関わり
第48章 1930年代のコンゴ盆地と日本――ベルギー領コンゴへの日本品輸出
第49章 コンゴと日本の開発協力――開発課題は膨大。しかし人的資源に希望の光が
第50章 小学校建設・学校運営を通じての持続的な関係性構築――コンゴでの暮らしから生まれる共感と協働
【コラム10】カオス発のデジタルヘルス革命
コンゴ民主共和国をもっと知るための参考文献
おわりに
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表記について
コンゴ民主共和国と周辺諸国
コンゴ民主共和国 基礎情報
Ⅰ 自然・地理
第1章 コンゴ国家の領域――コンゴ川水系とコロニアルな思惑
第2章 コンゴ盆地の地形・地質、コンゴ川の形成――コンゴ盆地独特の地史とその生態系への影響
第3章 コンゴ盆地熱帯林の生態――マメ科が優占する種多様性の低い森林
第4章 ボノボが暮らすワンバの森の植生――熱帯林がもたらす豊かな食物資源
第5章 コンゴ盆地の固有種ボノボ――メスの進化が意味するもの
第6章 バリ(Mbali)のボノボ研究――ゴリラと同じ草原生態系に暮らすボノボの不思議
第7章 ゴリラの研究と保護の狭間で――チンパンジーと共存していたゴリラたち
第8章 タンガニーカ湖の魚――生態と進化の謎を探る
第9章 ボノボの住む熱帯雨林の空洞化――コンゴ戦争と世代交代がもたらしたもの
第10章 コンゴ民主共和国のREDD+――森林のモニタリングとREDD+活動
第11章 コンゴ民主共和国における自然保護活動――グローバリゼーションで先鋭化する開発と複雑化する自然保護
第12章 コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱――その現状と対策
第13章 コンゴ民主共和国のエイズ――HIV-1の起源に関する未解決の謎
Ⅱ 歴史
第14章 コンゴ自由国からベルギー領コンゴへ――ヨーロッパ人中心の国づくり
第15章 『闇の奥』の現代性――グローバル化された世界の光と闇
第16章 コンゴ動乱の歴史過程――独立、混乱から内戦へ
第17章 コンゴ動乱に対する国際的対応――大国と国連の干渉
【コラム1】ルムンバ
第18章 モブツ政権期(1965~1997年)――国家統一から内戦へ
第19章 カビラ父子政権期(1997~2018年)――紛争終結と東部での継続
第20章 ジョゼフ・カビラ政権末期以降の混迷する政治動向――チセケディとカビラの「結婚」と「離婚」劇
【コラム2】チセケディ父子とUDPS
Ⅲ 文化・社会
第21章 コンゴ民主共和国の言語――多様な民族語と地域共通語、フランス語の多言語使用
第22章 言葉の森――現地語語彙集を編む
【コラム3】ボンガンドの景観語彙
第23章 コンゴ河の旅――カオスの船に揺られ、苦行のさなかにゆるしを学ぶ
【コラム4】喧騒と人混みの街、キンシャサ
第24章 キンシャサ・ロック――苦しければ、踊れ!!
【コラム5】リンガラ・ミュージックで何が歌われているか
【コラム6】コンゴと音楽
第25章 ボノボに対する摂食タブーの変遷――保護区内外での住民の〝ボノボ観〟に着目して
第26章 森の英雄神話――ソンゴーラ人の口頭伝承
第27章 ピグミーと農耕民――しなやかな共生
第28章 ペサ・ンガイ――コンゴ社会における要求と対等性
Ⅳ 生業・経済
第29章 ムブティ・ピグミー――森の民の狩猟と採集
第30章 コンゴ中部熱帯林の生業複合――幅広く、何でもやる
第31章 熱帯林の食文化――緑のサハラからの1万年史
【コラム7】コンゴ盆地の森の地酒を訪ねて
第32章 コンゴ東部の経済――多様な生業と観光
第33章 コンゴ東部の農業――プランテーション農業と焼畑農業
第34章 キンシャサでブタを飼う――メガシティでの新たな生き方
第35章 河の民ロケレ――キサンガニ西方の交易活動
第36章 森林地域と都市の市場のつながり――人の移動と商品の流通
第37章 鉱物資源を売って魚を買う――鉱山都市住民の経済活動
第38章 統計で見るマクロ経済の変遷と実体経済――フォーマルとインフォーマル
Ⅴ 政治・国際関係
第39章 コンゴ紛争総説――国際関係の視点から
【コラム8】1998年コンゴ紛争勃発時の脱出記
第40章 武装勢力――紛争主体たちの系譜
第41章 コンゴ紛争と難民――国境を越えて連鎖する悲劇
第42章 コンゴ東部に対する紛争予防・平和構築の試み――北キヴ州の紛争地域を中心とする日本と国際社会の平和構築支援
【コラム9】バニャムレンゲはコンゴ東部紛争をどう見ているか
第43章 紛争鉱物問題――規制の取り組みとロンダリングの課題
第44章 紛争と性暴力――婦人科医ムクウェゲ医師の救済活動
第45章 南アフリカに新天地を求めるコンゴ人――30年にわたる軌跡と現在
第46章 ルワンダとの関係――バニャルワンダとバニャムレンゲ
第47章 コンゴ北東部におけるウガンダとの関係――対立から協力へ?
Ⅵ 日本との関わり
第48章 1930年代のコンゴ盆地と日本――ベルギー領コンゴへの日本品輸出
第49章 コンゴと日本の開発協力――開発課題は膨大。しかし人的資源に希望の光が
第50章 小学校建設・学校運営を通じての持続的な関係性構築――コンゴでの暮らしから生まれる共感と協働
【コラム10】カオス発のデジタルヘルス革命
コンゴ民主共和国をもっと知るための参考文献
おわりに