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アジアの水覇権 Hydro-Hegemony in Asia

天野 健作【著】

発行元:博論社

ジャンル: 政治

2024/01/20発売

¥ 2,950 (税別)

 注文不可

搬入日(直取引):オンデマンド出版のため注文日から7営業日後に出荷予定。*営業日:月~金(土日祝除く)

アジアの水覇権 Hydro-Hegemony in Asia 中国・インドの資源紛争を解く

天野 健作【著】

発行元:博論社

ジャンル: 政治

2024/01/20発売

¥ 2,950 (税別)

搬入日(直取引):オンデマンド出版のため注文日から7営業日後に出荷予定。*営業日:月~金(土日祝除く)

 注文不可

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内容紹介

本書のテーマは、中国とインドの水資源をめぐる紛争である。代表的な事例として、両国をまたいで流れる国際河川のブラマプトラ川を扱っている。

本書は博士論文(2017 年東京大学学位認定)を基にしている。できるだけ専門的な用語を使わずに、学術書としてだけでなく、一般書としても読めるように、噛み砕いて記述されている。
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目次

序 章 「水覇権」とは何か

 第1節 本書の目的

  1-1 「紛争防止メカニズム」を解剖する

  1-2 国際関係論の系譜をたどる

  1-3 「覇権論」を適用する理由

 第2節 本書の5つの意義と知見

  第1の意義:気候変動による中国とインドの水資源への影響

  第2の意義:ブラマプトラ川の隠された実態

  第3の意義:中国の国際水資源の紛争防止メカニズム

  第4の意義:インドの国際水資源の紛争防止メカニズム

  第5の意義:「統合的水資源管理」と米中関係

 第3節 本書の構成と手法



第1章 水資源をめぐる紛争

 第1節 「水戦争」がメディアを席巻

 第2節 水不足の危機的現状

  2-1 水資源に関する国際社会での議論の変遷

  2-2 世界各地でみられる水危機

 第3節 水不足の理由と背景

 第4節 「水に恵まれた」日本と言えるか

 ▶コラム1 「鬼滅の刃」水の呼吸



第2章 国際水資源の焦点

 第1節 紛争リスクが高まる国際河川

 第2節 国際水資源の「利用」の変遷

  2-1 「航行」から「開発」へ

  2-2 国際水路条約の発効 

 第3節 「衡平利用原則」と国際裁判例

  3-1 ガブチコヴォ・ナジュマロシュ計画事件

  3-2 ウルグアイ川パルプ工場事件

 第4節 中東・アフリカ地域と異なる視点

  4-1 中東・アフリカ地域の水資源をめぐる紛争

  4-2 アジア・モンスーン地域の水資源の特徴

 ▶コラム2 国際河川を持たない日本ができることは?



第3章 中国とインドの水危機

 第1節 中国とインドの水危機の現況

  1-1 干上がる中国

  1-2 水不足と戦うインド

 第2節 気候変動による中国とインドの水資源への影響

  2-1 国連気候変動枠組み条約における報告書の制度

  2-2 中国の報告書

  2-3 インドの報告書

  2-4 報告書の意義の考察

 第3節 「南水北調計画」の概要と開発実態

 ▶コラム3 中国による日本の水源地買収



第4章 中国とインドの水紛争:ブラマプトラ川を事例に

 第1節 ブラマプトラ川の概況

 第2節 中国とインドの対応

  2-1 インドの懸念の表明

  2-2 中国の戦略的沈黙と問題の矮小化

 第3節 中国とインドの限定的協調関係

  3-1 協調関係の経緯

  3-2 協調の限界要因

 第4節 4章のまとめ

 ▶コラム4 原発処理水の海洋放出に中国が反発



第5章 中国の国際河川における紛争防止メカニズムの比較

 第1節 中国の水資源をめぐる国際合意

 第2節 紛争防止メカニズム構築の経緯

  2-1 イルティシ川―カザフスタンとの関係

  2-2 松花江―ロシアとの関係

  2-3 メコン川―下流域諸国との関係

 第3節 常設の共同機関の役割と任務

  3-1 常設の共同機関と定期会合

  3-2 情報・データ交換制度

  3-3 緊急事態条項

  3-4 衡平利用原則と相当注意義務

 第4節 南北メカニズムの相違

  4-1 中国の領域主権原則

  4-2 中国の問題認識の差異

  4-3 カザフスタン関係の特異性

  4-4 中国とメコン川流域の包括的経済協力

 第5節 5章のまとめ

 ▶コラム5 「新疆綿」のとんだ災難



第6章 インドの国際河川における紛争防止メカニズムの比較

 第1節 合意締結経緯の概観・

  1-1 インダス川―パキスタンとの関係

  1-2 ガンジス川―バングラデシュとの関係

  1-3 マハカリ川―ネパールとの関係

 第2節 常設の共同機関の役割と任務

  2-1 常設の共同機関の意義

  2-2 情報・データ交換と視察

  2-3 共同機関の実効性:合意の履行状況

  2-4 合意履行の差異の要因

 第3節 インドの紛争防止メカニズムの有効性要因

  3-1 「専門的機関」としての側面

  3-2 メカニズムに内在する有効性要因

  3-3 メカニズムの脆弱性

 第4節 6章のまとめ

 ▶コラム6 インドの水神「サラスヴァティー」



第7章 中国とインドの水資源政策の影響と統合的管理

 第1節 インドの「覇権」の低下

 第2節 中国の多国間アプローチの展開

  2-1 イルティシ川における中国・ロシア・カザフスタンの枠組み

  2-2 ブラマプトラ川における中国・インド・バングラデシュの枠組み

  2-3 中国とメコン川下流域諸国の枠組み

 第3節 米国とメコン川

  3-1 オバマ政権の「アジア回帰」

  3-2 トランプ政権の関与

 第4節 包括的な紛争防止メカニズムの構築

  4-1 統合的水資源管理の意義

  4-2 統合的水資源管理の可能性



終 章 アジアの水紛争は防げるか

 第1節 総括と本書の成果

 第2節 今後の課題・
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著者略歴

天野 健作【著】

大和大学社会学部教授(2021年~)。

1974年愛知県豊田市生まれ。

同志社大学法学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了(人間・環境学修士)。

ニューヨーク大学プログラム課程(国際関係学)修了、東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了(国際協力学博士=環境学研究系)。

1999~2020年、産経新聞社記者。記者時代は環境省、原子力規制委員会、厚生労働省、東京都庁、警察・検察、北朝鮮拉致問題などを担当した。

専門は地球環境学、国際水資源、ジャーナリズムなど。著書に『原子力規制委員会の孤独』(エネルギーフォーラム新書)などがある。

大和大学では2022年、SDGsに関わる「SDG研究推進室」を立ち上げた。

加えて、大学ベンチャーである「株式会社ヴェリダス」を設立し、代表取締役社長として、海外の大学や企業・団体と連携しながら、学生と共にSDGsに関係する社会発信や、商品を開発・販売するなどしている。
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商品概要

発行元
博論社
発売日
2024/01/20
ページ数
262p
判型(実寸)
210mm × 148mm
ISBN
978-4-9910204-7-6
セット商品分売可否
単品分売不可
Cコード/ジャンルコード
0031
読者対象/成人指定
指定なし(デフォルト)

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