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ちょっと踊ったりすぐにかけだす

古賀 及子【著】

発行元:素粒社

ジャンル: 文芸

2023/02/27発売

¥ 1,700 (税別)

搬入日(直取引):原則注文日の翌営業日までに出荷いたします。※営業日:月~金(祝日除く)

搬入日(取次):注文日の翌々営業日に取次搬入いたします。※営業日:月~金(祝日除く)例) 金曜日にご注文→翌週火曜日に取次搬入

ちょっと踊ったりすぐにかけだす

古賀 及子【著】

発行元:素粒社

ジャンル: 文芸

2023/02/27発売

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搬入日(取次):注文日の翌々営業日に取次搬入いたします。※営業日:月~金(祝日除く)例) 金曜日にご注文→翌週火曜日に取次搬入

内容紹介

『本の雑誌』8月号にて「2023年度上半期エンターテインメントベスト10」第2位に選ばれました!!



ウェブメディア「デイリーポータルZ」編集部員・ライターの著者による大人気ウェブ日記を書籍化。書き下ろしを含む2018年から2022年までの日記より、103日分をあつめた傑作選がついに刊行!



母・息子・娘、3人暮らしの

愉快で多感な〈日記エッセイ〉



生活の、愛おしい機微



【推薦のことば】

実験室みたいな、

RPGみたいな、

部室みたいな親子の時間。

あー、今からでも古賀さん家の子に生まれたい!

――岸本佐知子(翻訳家)
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目次

2018年

心の霧が晴れた隠喩

一緒に普通の量を食べて生きていこう



2019年

どこかの母の模倣だな

こんなでたらめな昼飯があるのか

雨のついた網戸に消しゴムなげてみ

「楽しいよ!」と書いてあると泣きそうになる

資産を有効活用して一日気分がいい

鋭角的にかわいい、鈍角的にもかわいい

水筒という家事がある

空気があったまって膨張したんじゃないの

俺はどうなってしまうのだろう

「あるなら食べる」ほど豊かなことはない

今日の3時ごろすごかった

クイズの脇が甘い

ケーキに隙間をみつけてくやしくて泣いた

0.5人の自分

みんなかわいいかわいいと言って見ています

思えばずっと誰かの歯が抜けていた

冷蔵庫ではないこれはタンスだ

フィクションは雑でも平和だが現実は優しいほうがいい

それでもサンタは強引に来た



2020年

横からスッとドラえもんが入ってくる

ぬいぐるみが助け

いつも私をどん欲に確認する

ていねいに細かく拾って牽制していく

月ばかりみているがそれがいい

椅子の下を這って通り過ぎた

屈辱要素なくわたしをパシらせて

決めてもらえると楽でありがたい

28年の月日を経て落第がむくわれた

子どもが子どもの世界の情報を交換している

なみへい、ふな

今日もかわいいですね

純粋なから揚げの行列

やることがなくて優雅

きっと一生なおらない

体はコンビニに入っていった

送り迎えのことばかり考えていた

気球の絵だ

ふたりで絶対に半分

夜中に目を覚ましたいからもう寝る

チャーハンに気持ちが集中した

いつも自分を気分よくしている

元服である

みんな歯を投げているらしい

ナンから煙が出ているぞ

心を揺さぶらない映画を見きわめる

塩で召し上がるのは後ろめたい

ちょっと踊ったりすぐにかけだす

つつみかくさない自意識

誰かが重いな

真逆の「屋」が来てしまったな

知ってるやつ以外ぜんぶうそみたい

サンタが誰かを知っている人にも来る

全身に力を込めて体をぶるぶるふるわせるから見てて

意外な思春期の来かたをしている

スーコー言わずに飲んでみよ



2021年

あとはエアコンだけある

いまいちばんどうでもいいこと

歯が小さいのだが

私だけが実情を知り不明を実感している、わかっている私がいちばんわかっていない

30秒は10秒が3個

歯の皮一枚

腸壁の側を皮膚にする

なにも起こらない予感

菓子パンは子にやる

糊を買いにいこうくらいの誘い

世界一の墓

餃子の数を数えて

とらわれなさが真実をつかむ

コロナ時代の買い食い

ピザが食べ足りないのは絶対に嫌だ

本当に家族で楽しいだろうか

午後7時25分、逮捕

らくだだと思っていますか?

世の中たいていのことはうまくいかない、なのに

ウーバーイーツのみなさんがぜんぶカブの出前だったら

まだまだ地力を出してはいないはずです

あらぶる群衆

さまざまな感情を一度に持たすなよ

ちゃんとしたファンの人が使う言葉

遊んで暮らさず商売を

治る自信のある肋骨



2022年

とりあえず子らにバナナを渡す

来たな待っていたぞ

前提としてとても明るい

すべてが謎のトラックが

確認して両替を頼む

安ジャムと高ジャム

ペットボトルを海に捨てない

心が遭難している

家のことは、なにもかも忘れてしまう

いないと本当にいない

壺のなかのグリーンカレー

奥にある真のおかえり

目にした景色を見せて

夜に帰る

無料のお菓子はかなしいか

ぬいぐるみは動の物

じゃあなにを食べていたのか

今日は絶対に死ねない

静かに静かに終わっていく

骨といわれたほうがよかった



あとがき
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著者略歴

古賀 及子【著】

1979年東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。ライター、編集者。

2003年ウェブメディア『デイリーポータルZ』にライターとして参加、2005年同編集部に所属。『納豆を1万回混ぜる』『決めようぜ最高のプログラム言語を綱引きで』『アイドルの話はプロレスの話に翻訳できるか 〜文化にも通訳が必要だ〜』などを執筆。

2018年10月はてなブログで日記の毎日更新を開始し、2019年からは同人誌としての頒布も行う。日記は現在もnoteに不定期で更新している。



Twitter→https://twitter.com/eatmorecakes

note→https://note.com/eatmorecakes
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商品概要

発行元
素粒社
発売日
2023/02/27
ページ数
320p
判型(実寸)
182mm × 128mm
ISBN
978-4-910413-10-5
セット商品分売可否
単品分売不可
Cコード/ジャンルコード
0095 / 01
読者対象/成人指定
指定なし(デフォルト)

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