歌集 シアンクレール今はなく
内容紹介
『二十歳の原点』の高野悦子や作家・高橋和巳が生きた60年代を詠う歌人の第一歌集。その視線は危機を孕んだ現代をも鋭く照射してやまない。これほどまでに勁き闘いの意志を内に秘めた叙情歌があっただろうか。
喫茶店シアンクレール今はなく荒神橋に佇むばかり
悲しみの同じ空気を吸っていた同じ京都に連帯ならず
似合わないシュプレヒコールくりかえす未だ少女の面影残し
一冊の本が一生を変えてしまうことがある。川俣水雪さんの場合、高野悦子の『二十歳の原点』だった。高野悦子や、サマルカンドを共に旅した人や、京都の送り火を共に見た人へ。川俣さんの歌は、そんな大切な人たちへの呼びかけなのである。(吉川宏志)
初蝶のえふぶんのいちのゆらぎさえ行動予測されていたるも
有る程の菊列島になげ入れよひとつ制度の命終の朝
いまならば間に合うだろう(たぶんだが)積乱雲の湧ける 日本よ
川俣水雪の、時代への危機を孕んだ想念の旅は、時代を戦い主義に殉じた死者たちへ向かって歩幅を速めてゆく。(福島泰樹)
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喫茶店シアンクレール今はなく荒神橋に佇むばかり
悲しみの同じ空気を吸っていた同じ京都に連帯ならず
似合わないシュプレヒコールくりかえす未だ少女の面影残し
一冊の本が一生を変えてしまうことがある。川俣水雪さんの場合、高野悦子の『二十歳の原点』だった。高野悦子や、サマルカンドを共に旅した人や、京都の送り火を共に見た人へ。川俣さんの歌は、そんな大切な人たちへの呼びかけなのである。(吉川宏志)
初蝶のえふぶんのいちのゆらぎさえ行動予測されていたるも
有る程の菊列島になげ入れよひとつ制度の命終の朝
いまならば間に合うだろう(たぶんだが)積乱雲の湧ける 日本よ
川俣水雪の、時代への危機を孕んだ想念の旅は、時代を戦い主義に殉じた死者たちへ向かって歩幅を速めてゆく。(福島泰樹)
目次
Ⅰ
喫茶店シアンクレール今はなく
緑陰に閉ぢて六朝美文論
桔梗や高橋和巳逝きてなほ
花愛宕上洛と書く青インク
生意気を咎むるなかれ啄木忌
永き午後永き戦後や氷水
老杜甫の食べざるものに唐辛子
蜩や見るべきほどの事は見つ
この人にしてこの疾螢かな
梅真白覚悟ならないこともない
自転車の花売りハノイ旧市街
寒銀河恢恢にして漏らさざる
雲の峰国のかたちも崩れけり
不自由はございませんか柚子の花
師厳道尊 追悼 坪野哲久没後三十年
御色なおし
Ⅱ
ふたたびの上洛まで
ふたたびの京都にて
Ⅲ
わが現代短歌
『下谷風煙録』(福島泰樹歌集)一首鑑賞
坪野哲久一首鑑賞
跋 福島泰樹
解説 吉川宏志
あとがき
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喫茶店シアンクレール今はなく
緑陰に閉ぢて六朝美文論
桔梗や高橋和巳逝きてなほ
花愛宕上洛と書く青インク
生意気を咎むるなかれ啄木忌
永き午後永き戦後や氷水
老杜甫の食べざるものに唐辛子
蜩や見るべきほどの事は見つ
この人にしてこの疾螢かな
梅真白覚悟ならないこともない
自転車の花売りハノイ旧市街
寒銀河恢恢にして漏らさざる
雲の峰国のかたちも崩れけり
不自由はございませんか柚子の花
師厳道尊 追悼 坪野哲久没後三十年
御色なおし
Ⅱ
ふたたびの上洛まで
ふたたびの京都にて
Ⅲ
わが現代短歌
『下谷風煙録』(福島泰樹歌集)一首鑑賞
坪野哲久一首鑑賞
跋 福島泰樹
解説 吉川宏志
あとがき
著者略歴
続きを読む商品概要
発行元
静人舎
流通委託先
トランスビュー
発売日
2019/11/01
ページ数
212p
判型(実寸)
194mm × 132mm
ISBN
978-4-909299-10-9
著者
セット商品分売可否
単品分売不可
Cコード/ジャンルコード
0092
読者対象/成人指定
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